大判例

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広島高等裁判所 昭和28年(う)637号 判決

所論は、本件は被害者の大森久生が、上長の命に従わないのでこれを訓戒教育するの目的でしたものであるから、犯意もなく無罪であると主張する。しかし親権者又は後見人等ならばとも角、何等法的根拠を有しない第三者が他人の小供に対し殴打等の暴行を加えることは、たとえそれが訓戒教育の目的に出たものであつても到底許されないものであることは、学校の校長、教員といえども教育上必要の理由を以てしても体罰を加えることの許されないことに徴しても明らかであるといわねばならない。(学校教育法第一一条参照)更に右の訓戒教育の目的なら差支ないものと確信していたものであるから犯意はない旨の主張は、犯意の内容には違法の認識を含むことを前提とする議論であるが、違法の認識は犯意の要素でないことは最高裁判所の屡次の判例に示すとおりであるから(昭和二四年(れ)第一六九四号同二六年一一月一五日第一小法廷判決等参照)たとえ被告人において当時右のように確信していたとしても、本件犯意の成立に何等欠くるところはないものというべく、従つて原判決がこれに対し傷害罪を以て処断したのは相当であつて所論のような法令適用の誤はない。論旨は理由がない。

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